2006 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル制御因子Spred/Sproutyの血管リモデリングにおける機能解析
Project/Area Number |
17790511
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
森 隆宏 久留米大学, 医学部, 助手 (80389254)
|
Keywords | 動脈硬化 / 血管リモデリング / Raf / MAPキナーゼ / Spred / Sprouty |
Research Abstract |
Ras-Raf-MAPキナーゼ経路は細胞外刺激に応じて細胞増碓、細胞分化、細胞死を調節する中心的な細胞内シグナル伝達経路として理解されている。PDGF, Angiotensin II, VEGFやFGF2などの血管リモデリングの病態において重要な増娃因子はRas-Raf-MAPキナーゼ経路を活性化する。Sprouty/SpredファミリーはRafに会合しRas-Raf-MAPキナーゼ経路を特異的に負に制御する遺伝子として同定された。Ras-Raf-MAPキナーゼ経路の異常な活性化は、例えば発癌など、生体にとって危険信号である。したがって、この経路の制御機構は極めて重要であるが、Sprouty/Spredの心血管病における生理機能や病態との関連もほとんど不明のままである。本研究課題において以下の実験を行い以下の結果を得ることができた。血管内皮細胞、平滑筋細胞をAngiotensin II, FGF2,VEGFで刺激することによって、Sprouty/Spred nmRNAの誘導が検出された。また、高脂脂肪食を負荷したApoE遺伝子欠損マウスの動脈硬化巣において、MAPキナーゼ経路を活性化とSprouty/Spred遺伝子の誘導が検出された。現在、動脈硬化マウスであるApoE遺伝子欠損マウスとSprouty/Spred遺伝子のダブルノックアウトマウスを作成中であり、今後、動脈硬化の発症進展におけるSprouty/Spred遺伝子の役割が明らかとなるであろう。また、ラットバルーン傷害モデルにSprouty/Spred遺伝子を導入し、内膜肥厚に対する治療効果についても検討する予定である。
|
-
[Journal Article] Pressure overload-induced transient oxidative stress mediates perivascular inflammation and cardiac fibrosis through angiotensin II.2006
Author(s)
Kai H, Mori T, Tokuda K, Takayama N, Tahara N, Takemiya K, Kudo H, Sugi Y, Fukui D, Yasukawa H, Kuwahara F, Imaizumi T
-
Journal Title
Hypertens Res 2006
Pages: 711-718