2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790514
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Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
馬場 彰泰 (社)北里研究所, 北里研究所病院, 内科研究員 (60296572)
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Keywords | 拡張型心筋症 / 自己免疫異常 / 白血球除去 / 心肥大 |
Research Abstract |
(1)ラットに対する白血球除去療法の確立 ラットに対してヒトと同様の体外循環処置を安定して実施するには困難をきわめた。人工呼吸管理下に大腿動静脈にカニュレーションすることは可能であったが、微量ポンプを使用して動脈から脱血して静脈へ返血する際に、血圧低下を示す例は約半数であった。さらにこの体外循環処置を終了し大腿動静脈のカニュレーションを除去した後に、下肢阻血や傷部感染等によって約半数が脱落した。反復して本処置を行う必要があるため、「ラットに対する白血球除去療法」を本手技で実施することは中止した。日本アフェレシス学会への参加・助言を通じて、新たな実験手技として以下のものを導入することにした。すなわちラット尾静脈より採血を行い、ヘパリン添加した同全血液を小型白血球除去カラムに注入した。カラムを通した血液を再びラットへ返血した。このカラム除去を行った血液量は1療法あたり、のべ20mLとした。この新規手技により脱落例は皆無となり、今後の実験継続が可能となった。 (2)リンパ球免疫移植ラットの作成 上述のとおりラット白血球除去療法の手技的変更を生じたため、自己抗原免疫モデルにも修飾を加えた。従来は毎月1回ずつの免疫を実施していたが、ラット30日齢に2回(2週間間隔)ならびに300日齢に2回(2週間間隔)の計4回の免疫を実施するだけでも、相乗的な心肥大が認められた。30日齢と300日齢で各2群(対照群と実薬群を設定することで計4群)で400日齢での心体重比を観察すると、両日齢で実薬群であったラットのみ心体重比3.9±0.2と有意な上昇(対照群3.4±0.2)を示した。この新規免疫法によって、30から300日齢の間に、上述の白血球除去療法を実施する新たな実験系が作成された。現在は自己抗原としてNa-K-ATPaseを選択してラットに免疫途上であり、次年度後期にデータが出る予定である。
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