2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790517
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
添木 武 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60393211)
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Keywords | グレリン / ペプチド / 心臓病 / 心臓リモデリング / 治療 / 自律神経 |
Research Abstract |
1、心臓リモデリングおよび生存率に対するグレリンの効果 拡張型心筋症ハムスター(Bio TO2)に対し,グレリンの投与(200μg/kg/日、皮下注)を行った。その結果、グレリン投与群において、心臓超音波で左室拡大の進展抑制が確認され、心臓カテーテルにて左室拡張末期圧の減少など血行動態の改善が認められた。これらのことから、拡張型心筋症の心臓リモデリングに対し、グレリンの投与が有効であることが示唆された。 2、心臓自律神経系へのグレリンの影響 心筋梗塞ラットにグレリンを投与し,心臓交感神経系あるいは副交感神経系の活性を調べた。その結果、心筋梗塞ラットにおいて、グレリン(200μg/kg/日にて投与、皮下注)は心拍数を減少させ、最大および最小dP/dtといった指標も改善した。さらに、グレリンは心筋梗塞後の血中ノルアドレナリン濃度の上昇を有意に抑制した。しかしながら、グレリンの投与によって血漿insulin like groth factor-1(IGH-1)濃度の上昇はみられず、これらの効果がgrowth hormone非依存性のものであることが示唆された。また、意識下の心筋梗塞ラットにおいて、グレリンの急性投与(100μg/kg、皮下注)を行ったところ、梗塞により増加していた(交感神経活性の指標である)low-frequency power / high-frequency power(LF/HF)比を低下させた。これらの結果より、グレリンは交感神経抑制作用を有し、心筋梗塞後早期の抗心臓リモデリング薬として有用であると考えられた. 3、心疾患におけるグレリンの病態生理学的意義 ラット心筋梗塞モデルにおいて、血中のグレリン濃度が減少しており、胃でのグレリンのmRNA発現量が減少していることが見出された。
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