2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肺腺癌におけるHRKの発現とメチル化の検討-生命予後との関連
Project/Area Number |
17790532
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
橋本 潔 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (50379640)
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Keywords | HRK / 肺腺癌 / メチル化 / P53 |
Research Abstract |
平成17年度は、 1.外科切除肺腺癌標本に対するP53の免疫組織化学を行い、Stage I、II、IIIそれぞれにおける発現状況を確認した。 2.上記と同じ標本におけるHRK蛋白の発現を免疫組織化学的に検討中である。 3.HRK遺伝子DNAをP53変異の豊富な腫瘍細胞群と乏しい腫瘍細胞群の双方より抽出した。 症例は各Stage間で年齢・性別の平均値に大きな差異が生じないように抽出した。各症例におけるP53発現の評価は、比較的免疫活性の強い領域を選択し、最低でも1,000個以上の腫瘍細胞における免疫活性を判定したうえで陽性細胞率を算出した。陽性細胞率が10%以上の症例を陽性症例としたところ、Stage Iでは20例中9例、Stage IIでは20例中16例、Stage IIIでは20例中8例が陽性症例にあたり、この度の実験ではStagingとP53発現の間に明らかな相関は得られていない。 HRK蛋白の免疫組織化学に関しては、微妙な実験条件の差異により染色性が安定せず、現在繰り返し実験を行い結果の再現性を確認中である。また抗原賦活液、抗原賦活法に関してもいずれのものが最も評価に適しているか検討を行っている最中である。 さらにHRK遺伝子のメチル化をMethylation specific PCRで検出する前段階として、上記P53の免疫活性の強い部と、全く免疫活性が検出されなかった部の双方よりマイクロディセクションを行い、DNAを抽出した。2.の結果が安定し次第、メチル化の検討に入りたいと考えている。 本研究は、現在のところ未だ結果を公表できる段階ではないものの、可及的早期にデータをそろえ、呈示したいと考える。
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