2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイによる遺伝子発現情報に基づく肺気腫遺伝子の検索
Project/Area Number |
17790540
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中島 隆裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70306702)
|
Keywords | マイクロアレイ / 遺伝子 / 肺気腫 |
Research Abstract |
肺気腫7例と対照喫煙者4例、非喫煙者4例のマイクロアレイにより得られたデータで遺伝子発現を比較した。まず、機能的候補遺伝子については(1)オキシダント・アンチオキシダント関連遺伝子計60遺伝子 (2)アポトーシス関連遺伝子Bcl-2 family 13 caspase family 10 IAP (inhibitor of apotosis) family 6 HSP (heat shock protein) family 32 BAG family 3 apotosis転写因子調節因子34計98遺伝子 (3)プロテアーゼ・アンチプロテアーゼ遺伝子MMPs 11 TIMPs 4 Cathepsins 12 Cystatins 5計32遺伝子について検討した。glutathion peroxidase 1,2やsuperoxide dismutase 2など多くのアンチオキシダント遺伝子の発現が肺気腫肺で喫煙者肺よりも亢進していた。アポトーシス促進作用を有するBax, Bakの発現も肺気腫で高い傾向を認めたが、アポトーシス抑制作用を有するBcl-xL、c-IAP2やICADの発現も肺気腫で高い傾向を認めた。また、DNA断片化に関与するCADの発現も低下傾向であった。caspaseの発現には一定の傾向を認めず、death ligand経路を介するcaspase2は肺気腫で高い傾向を示したが、ミトコンドリア経路で重要なcaspase9の発現は肺気腫ではむしろ低下傾向であった。Caspase8非依存性アポトーシス経路としてのASKやJNKの発現は変化を認めなかった。プロテアーゼ・アンチプロテアーゼ遺伝子ではMMP7,9,11、TIMP2、cathepsin C, D, K, S, W, Z、cystatin A, B, Fが肺気腫で高い傾向を認めた。MMP15の発現だけは肺気腫で低下していた。MMPs、TIMPsについては肺組織から分離したRNAを用い、Real time-PCR法により、マイクロアレイによる遺伝子発現の変動傾向を検証してみた。TGF-β遺伝子多型で気腫性変化の関連について検証してみた。 位置的候補遺伝子の検討では、Silvermanらが報告したSERPINE2遺伝子をはじめ、2q染色体を中心に遺伝子多型を検出中である。
|