2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウム重炭酸共輸送体を標的とした近位尿細管性アシドーシスの分子治療法の開発
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17790546
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 秀臣 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60396752)
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Keywords | NBC / pRTA |
Research Abstract |
NBC1の変異体は眼症状を伴う遺伝性近位尿細管性アシドーシス(pRTA)を引き起こす。ほとんどの変異はNBC1輸送活性を低下させるが、Δ65base del変異は野生型とほぼ同様の輸送活性を保持していた。そこでGFPタグつきコンストラクトを作製し、MDCK細胞での発現実験を行ったところ、野生型と異なりその発現は細胞膜には認めずに細胞質、細胞核周囲に限局していた。これらの結果からNBC1の特徴あるC端部は細胞膜への細胞内輸送に必須であり、Δ65base del変異によるpRTAの機序の一因として十分に合理性があることが示唆された。 また、Anion Exchanger(AE)はC末端で炭酸脚水化酵素II型(CAII)と結合しAEの活性化に関与すると報告されている。Δ65base変異は提唱されているCAII結合部位を喪失している。そこでNBC1野生型とΔ65base変異のC末端部をGSTに結合させプルダウンアッセイを施行したが、両者ともCAIIに対して明らかな結合は認めなかった。またOocyteと培養細胞においてCAIIの有無でのNBC1の輸送活性の変化を検討したが野生型においてもまたΔ65base変異にも明らかな変化は認められず、CAIIとの相互作用の重要性は確認されなかった。 一方、腎型NBC1のN端末内で停止コドンを引き起こす変異体(Q29X)が既に報告されている。このQ29Xの発現実験をOocyteにおいて試みたがNBC1の輸送活性は全く認めなかった。最近、アミノ配糖体が早期停止コドンRNAの転写に影響を与え例えばCFTRΔ508においては正常なCFTR全長蛋白が発現する可能性が示された。同様な実験をこのQ29Xに対して検討するために、GFPタグつきQ29Xコンストラクトを作製し、アミノ配糖体の効果を検討中である。
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Research Products
(3 results)