2005 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体再構築促進による慢性糸球体疾患の組織修復治療法の開発-腎移植法を用いて-
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17790559
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Research Institution | Clinical research Center, Chiba-East National Hospital, National Hospital Organization |
Principal Investigator |
今澤 俊之 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター), 免疫病理研究部免疫機構研究室室長 (80348276)
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Keywords | 腎移植 / 糸球体再生 / 腎炎 / 老化腎 / 内皮細胞 / メサンギウム細胞 / 糸球体上皮細胞 / ハブ毒 |
Research Abstract |
期間中、Wistarラットに抗Thy-1腎炎を惹起させた。その後、左腎を3日後に摘出し、同週齢のGFPラット(Wistarラット由来に変更)に移植を行った。移植はレシピエントであるGFPラットの左腎を一旦摘出し、ドナー腎(Thy-1腎炎惹起)の動脈、静脈、尿管を吻合し行う方法をとった。同様の実験をハブ毒による腎炎を惹起させた腎についても同週齢のGFPラットに移植し行った。移植後は、糸球体上皮細胞に増殖刺激を与えると考えられるパミドロネートの投与を試みた。しかしながら、パミドロネート投与群と非投与群との間で有意な差は見られていない。今後は、エリスロポイエチン投与、抗血小板薬およびアンギオテンシン受容体拮抗薬による内皮細胞再生、メサンギウム細胞再生への作用につき検討予定である。また腎間質を含めた修復機構の改善についても検討するためのモデル選定を行った。これは一般的に慢性糸球体腎炎の腎障害の進展には糸球体とともに間質障害も密接に絡むため、尿細管の障害を初めから有するモデルに糸球体障害を惹起させ、その修復につき検討する必要があると考えたからである。今回、老化関連蛋白SMP-30のノックアウトマウスにつき解析を試みた。その結果、本モデルにおいては老化に伴い腎で見られる間質病変を早期に発症するとともに、老化関連蛋白の発現も早期に見られたことから、老化に伴う腎障害のモデルとして適切であることを見出した(Histol Histopathol 2006,in press)。今後は、本モデルを用いたマウスへの腎移植実験に使用する予定である。また近年腎におけるリンパ管の役割が注目されるようになり、リンパ管の再生についても重要な検討課題であると考えられた。腎におけるリンパ流の基礎的な知見を期間中、抗体による染色法、リンパ管への色素注入などにより得ることができた。
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Research Products
(1 results)