2005 Fiscal Year Annual Research Report
腎微小循環におけるRhoキナーゼの役割およびその分子機構の検討
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17790562
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
本間 康一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10383762)
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Keywords | 腎輸入細動脈 / 筋原性収縮反応 / 尿細管糸球体フィードバック / Rhoキナーゼ / nNOS / アデノシン |
Research Abstract |
腎輸入細動脈(AFF)は自動調節能すなわちmyogenic response (MYO)とtubuloglomerular feedback (TGF)により糸球体内圧を調節しており高血圧に伴う糸球体硬化に重要な役割を担っているがin vivoにおけるRho-kinaseとの関わりに対する検討は十分ではない。本研究では生体内CCDカメラを用いin vivoにおいてWKY、SHRのAFFを測定することによりこれらの意義を検討した。さらにnNOSの関与、腎灌流圧上昇に伴う腎間質アデノシン濃度についても検討した。腎灌流圧を上昇させるとAFFは有意に収縮した。この作用はSHRにおいて有意に増強していた。Rho-kinase抑制薬であるfasudilはAFF圧収縮を著明に抑制した。MYO, TGF個別の検討をするためにそれぞれの抑制薬であるgadolinium, furoselnideを投与後灌流圧上昇させるとWKY, SHR共にAFF圧収縮は濃度依存性に抑制された。gadolinium+fasudil, furosemide+fasudilにそれぞれnNOSの抑制薬であるL-SMTCを同時投与し腎灌流圧を上昇させるとfurosemide+fasufilすなわちMYOには影響を与えなかったがgadolinium+fasudilすなわちTGFにおいてはWKY, SHR共に収縮率を有意に回復させた。Microdialysisにより腎間質adenosine濃度を測定するとWKY, SHR共に腎灌流圧上昇前後で約2倍の上昇を認めた。 以上よりAFF圧収縮反応においてRho-kinaseはMYO、TGF共に関与しておりTGFに関しては一部nNOSを介した反応であることがin vivoにて確認された。RPP上昇に対する腎間質adenosine濃度の上昇を除き、これらの反応はWKYに比しSHRにおいて増強しておりSHRにおけるMYO, TGFの増強、Rho kinase, nNOSの発現亢進がin vivoにて示唆された。
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