2006 Fiscal Year Annual Research Report
腎微小循環におけるRhoキナーゼの役割およびその分子機構の検討
Project/Area Number |
17790562
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
本間 康一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10383762)
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Keywords | 腎微小循環 / 筋原性収縮反応 / Rhoキナーゼ / AMPキナーゼ / 糸球体過剰ろ過 |
Research Abstract |
昨年度の研究にて腎輸入細動脈の自動調節能である筋原性収縮反応と、尿細管糸球体フィードバック反応をin vivoにおいてCCDカメラを用いて可視化することに成功し、その機序について検討したが、本年度は細胞伸展装置を用いて筋原性収縮反応をin vitro実験系で再現することを試みた。 背景,目的 血管自動調節能である筋原性収縮反応(MYO)は、伸展刺激に対して収縮を示す反応である. 我々はMYOのin vitro実験系を確立し、AMPキナーゼ、Rhoキナーゼの関与につき検討した。さらに、肥満モデルであるZucker fatty ratにおける腎輸入細動脈MYOの減弱を以前に報告したが、これに対するAMPキナーゼが関与について検討を加えた。 方法 シリコン製チャンバー上に血管平滑筋細胞を培養し、細胞伸展装置を用い刺激を加えた細胞を用いて、myosin light chain, AMPキナーゼ,Rhoキナーゼの活性化のマーカーであるMYPT-1のリン酸化抗体を用いwestern blottingにて検討した。Zucker fatty ratにAMPキナーゼの活性化薬(AICAR)を慢性投与し、生体内CCDカメラを用いMYOを観察した。 結果 細胞伸展刺激後10秒の時点でmyosin light chain、AMPキナーゼ、MYPT-1それぞれのリン酸化の発現亢進が確認された。さらにAICAR投与によりZucker fatty ratの腎輸入細動脈MYOの減弱が一部改善された。 考察 MYOは伸展刺激後10秒という非常に急速な反応であり、その反応にAMPキナーゼ、Rhoキナーゼが関与していることが示唆された。さらに、AMPキナーゼ活性化薬は糖尿病初期のhyperfiltrationを改善する可能性が考えられた。
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