2005 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系ウイルス感染症における神経幹細胞の感染特性に関する研究
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17790579
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 義治 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (80378950)
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Keywords | 神経幹細胞培養系 / HSV-1 / マイクロアレイシステム / マクロファージ / HIV-1 / 脳海馬スライス培養系 / heat shock protein / 神経前駆細胞 |
Research Abstract |
ラットおよびマウス胎児の脳より分離した神経幹細胞培養系に感染性HSV-1を感染させると、細胞分化能、細胞増殖能、および細胞移動能の障害が生じることが判明した。また、神経幹細胞はHSV-1感染による細胞障害効果は低く、またウイルス粒子形成終了後も細胞の長期生存が確認された。そこでこの実験系を用いてマイクロアレイ解析を行った結果、約6000の遺伝子が感染病態の中で発現しており、この中に、heat shock protein laやInsulin like growth factorなどの抗アポトーシス因子やcyclin, cdkなどの細胞周期関連遺伝子が含まれていた。(投稿準備中)また、単純ヘルペス脳炎モデルラットの脳でも神経幹細胞が増殖して機能回復し、潜伏感染に至っていると考えられた。これをさらにマイクロアレイシステムを用いて解析した結果、インターフェロン関連因子や補体関連因子など約290の遺伝子が高発現しており、脳内への潜伏感染に関わっている可能性が示唆された。 HIV脳症モデル動物の解析の結果神経前駆細胞が減少していた。この結果を培養系で評価するため、HIV感染マクロファージと、Neurosphere培養系の共培養系を確立して解析した。その結果、細胞増殖は抑制され、神経系細胞への分化能が抑制されていた。一方、神経幹細胞への障害性は小さかった。また細胞移動能は抑制されていた。HIV感染マクロファージと脳海馬スライス培養系を共培養すると神経前駆細胞および神経細胞に強い障害が確認された。ここでマイクロアレイシステムを用いて解析した結果、95の既知遺伝子と289の未知遺伝子が高発現しており、この中にTIMP1やケモカインなどが含まれていた。また、HIV感染マクロファージをマイクロアレイ解析した結果、約2万遺伝子が発現していた。
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Research Products
(3 results)