2005 Fiscal Year Annual Research Report
家族性筋萎縮性側索硬化症モデルマウスに対する神経幹細胞治療
Project/Area Number |
17790582
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
渡邉 保裕 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (20335540)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / トランスジェニックマウス / 細胞移植 / olfactory ensheathing cell / 定位脳手術 |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis : ALS)は、運動ニューロン変性により進行性の筋萎縮を主症状とする疾患であり、未だ有効な治療法が確立されていない。我々はALSの新たな治療法を見出すため、運動神経系の再生・再ミエリン化、そして運動機能の回復を促進する事が報告されている嗅神経被膜細胞(olfactory ensheathing cell : OEC)を用いた細胞移植法の検討を行った。山陰で報告された家族性ALS (familial ALS : FALS)患者から発見された変異Cu/Zn superoxide dismutase(SOD1)遺伝子を導入したトランスジェニックマウスへ、第四脳室より定位脳手術的に細胞移植を行い、OEC移植手技の安全性確認と、術前・術後の臨床的評価(体重、hind limb extension score、foot print、発症日齢、死亡日齢、病期)を行い、OEC非移植マウスと比較し検討した。更に、OEC移植による脊髄の病理的変化の確認も行った。 OEC移植による明らかな副作用や運動機能障害は認められなかった。OECは移植後10日で多数が生存し、移植後30日までの生着が確認された。臨床評価においては、OEC移植マウスと対照マウスの間で有意な改善は見出せなかった。 本検討において、マウスにおける細胞移植法を確立し、脊髄へのOECの生着を確認することができた。今後、マウスへの最適な移植時期の確立、OEC以外の神経幹細胞あるいは骨髄間葉系幹細胞等を用いた移植、移植細胞への遺伝子改変等を検討する必要がある。
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