2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内コレステロール生合成系の制御と動脈硬化に関する発生工学的研究
Project/Area Number |
17790601
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大橋 健 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40376463)
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Keywords | コレステロール / 動脈硬化 / HMG-CoA還元酵素 |
Research Abstract |
本研究では、Cre-loxPシステムを用いて臓器特異的HMG-CoA還元酵素欠損マウスの作成を目指している。今年度は、ES細胞を用いたジーン・ターゲティングの手法によりHMG-CoA還元酵素遺伝子の標的部位にloxP配列を挿入したマウス(floxed animal)の作成を進めた。マウスHMG-CoA還元酵素遺伝子のexon2-4を含む領域をはさむ形でloxP配列を挿入したターゲティング・ベクターを作成し、相同組換えによって得られた129マウス由来ES細胞クローンをC57B6jマウス胚盤胞に注入、キメラマウスを得た。キメラマウスの交配から、floxed alleleをヘテロで有するF1マウスが得られ、ヘテロ接合体の交配によりfloxed alleleをホモで有するfloxed animalを得た。Floxed animalには明らかな異常はなく、妊孕能にも異常を認めなかった。Floxed animalにおいてCre-loxPシステムが期待通りに機能することを2通りの方法で確認した。まず、Floxed animalよりmouse embryonal fibroblast(MEF)を採取し、Cre発現ベクターあるいはCre発現アデノウイルスをtransfectionした。回収したゲノムのSouthern blot解析により、デザインどおりHMG-CoA還元酵素遺伝子のexon 2-4を含む領域が削除されることが確認できた。一方、in vivoでfloxed animalにCre発現アデノウイルスを投与し、肝臓から回収したゲノムのSouthern blotによってもCre-loxPシステムがデザインどおり機能することが確認された。しかし、高用量のアデノウイルスを投与してもrecombinationを受けない肝細胞がかなり残存していることが判明した。
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