2005 Fiscal Year Annual Research Report
膵臓特異的転写因子を用いた膵β細胞の再生医療の研究
Project/Area Number |
17790616
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
荻原 健 順天堂大学, 医学部, 助手 (60399772)
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Keywords | 再生医療 / 転写因子 / neurogenin3 / nkx6.1 / mafA / インスリン / 膵β細胞 |
Research Abstract |
膵β細胞の分化過程を詳細に解明し、幹細胞においてその過程を再現することが膵β細胞の再生医療実現への方法と考えている。膵腫瘍細胞株であるAR42J-B13細胞に、膵特異的転写因子の1つであるneurogenin3(ngn3)を強制発現させると、膵β細胞分化に重要な役割をはたすPax4、Nkx2.2、NeuroDの発現が亢進することを我々は明らかにした。また、ngn3とnkx6.1あるいはngn3とmafAを同時に強制発現させるとinsulinが発現し、蛋白質レベルにおいてinsulinが確認された。In vitroにおける現象が、in vivoにおいて再現できるかを検証するために、pdx1 promoterを用いて膵発生の初期段階にngn3とnkx6.1を同時に発現するトランスジェニックマウスを作成した。Pdx1 promoterを用いてngn3のみを強制発現させると膵臓から外分泌細胞が消失し、膵臓がグルカゴン陽性の膵内分泌細胞に過分化することが報告されている。胎生18.5日に胎児を採取し膵臓を解析した結果、ngn3/nkx6.1トランスジェニックマウスでは膵臓に明らかな形態学的変化を認めなかった。免疫組織学的にinsulinおよびglucagonを確認したが、野生型と比較して膵島に明らかな変化を認めなかった。引き続き、ngn3およびnkx6.1の発現パターンを免疫組織学的に検討している。今後はpdx1 promoterを用いてngn3とmafAを同時に発現するトランスジェニックマウスを作成し、膵内分泌細胞分化に対する影響を評価する予定である。
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