2005 Fiscal Year Annual Research Report
超速効型インスリン持続皮下注入アルゴリズムの持続血糖測定器を用いた最適化
Project/Area Number |
17790618
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
今村 洋一 久留米大学, 医学部, 助手 (10299414)
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Keywords | 1型糖尿病 / 夜間低血糖 / 持続皮下インスリン注入療法 / 持続血糖測定 / 人工膵 |
Research Abstract |
本年度はまずインスリン頻回注射療法で治療されている1型糖尿病患者の血糖変動パターンを詳細に検討した。超速効型インスリンとNPHインスリンを併用する31例の1型糖尿病患者について,入院中の夜間血糖変動を測定したところ,夜間低血糖を高率にきたしていることが明らかになった。NPHインスリンの代わりにグラルギンを用いた場合は,夜間低血糖の頻度が有意に低かったが,午前3時に血糖値が低下し早朝にかけて上昇する傾向は変わらなかった。また,早朝の血糖上昇,すなわち暁現象の顕著な症例は,朝食後の血糖上昇も著しく1日の血糖変動幅が大きかった。すなわち,動脈硬化性疾患のリスクとして最近注目されている食後高血糖を抑制するためにも,夜間の安定したインスリン補充により,暁現象を抑制することが重要である。したがって,グラルギンが使用できるようになった今日でも,持続皮下インスリン注入療法(CSII)の優位性は変わらないと考えられる。 現在私どもがCSII治療を行っている1型糖尿病患者は12名であり,その内9名はプレプログラマブル・インスリン注入ポンプを使用している。夜間にインスリン基礎注入速度を切り換えているのは4例であり,夜間低血糖を避けるために注入速度を低下させる時間帯は2例で午後10時から午前7時,2例は午後10時から午前3時に設定している。また注入速度の低下率は45±20%である。 本年度は牛海綿状脳症(BSE)の影響で,ウシアルブミンを使用する持続血糖測定器用センサーの輸入が中断したため,研究の進展が妨げられたが,18年度には輸入が再開される見込みである。
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