2006 Fiscal Year Annual Research Report
血中インスリン様成長因子-I濃度を規定する遺伝子および遺伝子多型の同定
Project/Area Number |
17790629
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
飯田 啓二 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (80324911)
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Keywords | インスリン様成長因子-I / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
本研究では、ヒトの血中IGF-I濃度を規定する遺伝子あるいは遺伝子多型を同定することが目標である。 平成17年度は前段階の研究として、血中IGF-I濃度の異なる2種類のマウスストレイン(C57BL/6J、以下B6およびC3H/HeJ、以下C3H)に着目し、GH-IGF-Iシグナルに関わる分子の発現を検討した。その結果、B6マウスがいわゆる「GH抵抗性」、すなわち下垂体でのGH mRNA発現は多く、肝臓でのGH受容体やIGF-I mRNAの発現は低下していることが確認された。 平成18年度はその結果を踏まえ、 (1)GH-IGF-Iシグナルに関わる分子、すなわちGH受容体(GHR)遺伝子、Janus Kinase2(JAK2)遺伝子、signal transducer and activator of transcription 5(STAT5)遺伝子あるいはIGF-I遺伝子における遺伝子多型を両マウス間で比較検討する計画を立てた。その結果、JAK2,STAT5については両者間で遺伝子多型の差は認められなかったが、IGF-I遺伝子についてはプロモータ領域において差が認められた。すなわちpolyG配列がB6のほうが有意に長いことが確認できた。GHRについてもそのプロモータ領域で多型が存在することが確認されたが、ストレイン間での有意差は認められなかった。 (2)ヒトにおいてもIGF-Iプロモータ領域の多型を確認した。その結果、polyGの多型は確認できされなかったが、CAリピートの長さの多型が存在することが確認できた。その病態生理学的意義については現在検討中である。まだ解析症例が少ないためにこの多型の意義付けはできていないが、今後耐糖能異常に及ぼす影響、脂質代謝に及ぼす影響、骨密度に及ぼす影響や発ガンに及ぼす影響などについて検討する予定である。
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