2005 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞特異的高脂血症惹起物質ANGPTL3の発現調節とインスリン作用への影響
Project/Area Number |
17790630
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
渡邉 昌樹 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (00364787)
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Keywords | ANGPTL3 / インスリンシグナル / FAO細胞 |
Research Abstract |
1)インスリン作用の減弱がANGPTL3の発現にどのように影響を与えるかどうかにつき、FAO細胞(ラット肝細胞癌由来の継代細胞)とマウス肝臓の初代培養、これら2種類の細胞に対して、インスリンを24時間投与し、ANGPTL3の発現量をノザンブロット法にて検討したところ、FAO細胞において約43%の発現の減少、マウス肝臓の初代培養においては、約70%ものANGPTL3の発現低下が見られ、さらにこれらの効果は、wortmanninによって阻害された。以上からインスリンによるPI3Kカスケードの活性化がANGPTL3の発現量を負に制御していることがわかった。2)ANGPTL3の脂肪細胞に対する作用を検討するため、アデノウイルスを用いて3T3-L1細胞に発現させてみたが、インスリン作用には全く影響を与えないため、COS細胞に発現させた上清からのANGPTL3の蛋白精製法を試みた。EGPコンポを用いた濃度勾配法によって、数種類のクロマトグラフィーを組み合わせる(ゲルろ過、Qカラム、疎水性など)ことにより、ANGPTL3の精製を試みており、現在までのところ、数mgまでの蛋白を精製するまで至っており、今後、スケールを大きくすることにより、純度の高いANGPTL3の精製法の確立を目標としている。
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