2006 Fiscal Year Annual Research Report
コンディショナルノックアウトマウスによるB細胞終未分化におけるAML1の機能解析
Project/Area Number |
17790638
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅井 隆司 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10376436)
|
Keywords | 転写因子 / コンディショナルノックアウトマウス / AML1 / B細胞分化 |
Research Abstract |
(1)B細胞特異的AML1欠損マウスの確立 私達が既に確立したCre-LoxPシステムを用いたAML1コンディショナルノックアウトマウスの系を使用し、B細胞特異的AML1欠損マウスを確立に成功した。具体的にはAML1flox/+マウスとCD19-Creノックインマウスを交配し、AML1flox/- CD19-Creマウスを作製した。 (2)AML1欠損B細胞分化段階の同定 作製したマウスを更にSTOPflox-GFPトランスジェニックマウスを交配し、AML1flox/- STOPflox-GFP CD-19-Creマウスを作製した。このマウスでGFP陽性となる細胞集団が、AML1欠損する細胞集団とほぼ一致する。B細胞初期分化(プレB細胞)からB細胞終末分化にてAML1が欠損していることを確認した。 (3)B細胞特異的AML1欠損マウスの解析 作製したマウスを用いて、解析を進めた。病理組織学的解析では骨髄、脾臓、リンパ節とも明確な表現系を確認できなかった。フローサイトメーターによるB細胞系各分化段階の解析では、B細胞初期分化、とりわけプレB細胞から初期B細胞への分化が障害され、B細胞初期分化にAML1が重要な転写因子であることを確認した。また後期B細胞分化に関して、B細胞終末分化としての形質細胞分化が、特に抗原負荷状態で障害されることを確認した。血清抗原各サブクラス量のELISA法による測定では、SPF環境下では特に異常を認めず、現在抗原負荷状態での血清抗原各サブクラス量を測定したところ、B細胞特異的AML1欠損マウスではIgG1,IgG2a, IgG2bの産生が有意に増加傾向を示した。さらに、B細胞終末分化に抗原刺激下で観察されるSHM(体細胞超変異)に着目したところ、B細胞特異的AML1欠損マウス由来B細胞はSMHの頻度がコントロールに比し、有意に増加していた。これらのことはAML1がB細胞終末分化においてリプレッサーとして働くことを示唆している。今後の研究では、これら転写調節をする上での、AML1の標識遺伝子の検索が重要となろう。
|
Research Products
(1 results)