2005 Fiscal Year Annual Research Report
トロンボポイエチンによるGPVI遺伝子の脱メチル化とGPVI発現誘導機序の解析
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17790649
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
金地 佐千子 佐賀大学, 医学部, 助手 (50363429)
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Keywords | 巨核球分化 / 血小板 / トロンボポイエチン / GPVI / メチル化 |
Research Abstract |
トロンボポイエチン(TPO)によるGPVI遺伝子の脱メチル化誘導機序解明のため、以下の研究を行った。 1,TPOの脱メチル化を介したGPVI遺伝子発現誘導機序を明らかにする 非巨核球系細胞株にMplを強制発現させた細胞株を樹立し、この細胞をTPO刺激した際のGPVI遺伝子のメチル化状態を評価することを計画した。まずMpl安定発現HeLa細胞株を樹立し、TPO刺激によるシグナル伝達が起こることを、リン酸化チロシン抗体を用いたウェスタンブロッティングで確認した。巨核球系細胞株を用いたこれまでの知見から、GPVIの発現には転写因子であるGATA-1,Fli-1が必要であることが分かっている。そこでこの細胞株にさらにテトラサイクリン制御下にGATA-1を発現する安定発現細胞株を樹立した。現在この細胞株にさらにFli-1を安定発現した細胞株の樹立を行っている。今後この細胞株を使って、TPO刺激によるGPVI発現誘導機構を検討していく。 2,TPOシグナルとGPVI発現との相関を解析する TPO受容体であるMplに変異を持つ先天性無巨核球性血小板減少症患者(CAMT)患者血小板の解析を行いたいと考え、CAMTが疑われる先天性血小板減少症患者2症例の血小板の解析を計画した。 (1)遺伝子解析においてMplに変異を認めず、CAMTでないことが明らかになったため、血小板膜タンパク質の発現の検討は行わなかった。 (2)橈骨欠損を伴う血小板減少患者の血小板をフローサイトメトリーで解析したところ、Mplの発現を認め、GPVI, GPIbαも正常レベルに発現していることが分かった。兵庫医科大学より送付され採血後24時間経過した検体であったため、ADP刺激に対する反応等は評価できなかった。血小板減少機序は不明であるが、TPOシグナルは正常に機能しているものと推測された。
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