2005 Fiscal Year Annual Research Report
Tie2/Angiopoietin1によるヒト造血幹細胞ニッチ制御の解明
Project/Area Number |
17790656
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松岡 佐保子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20317340)
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Keywords | 造血幹細胞 / ニッチ / 幹細胞増幅 |
Research Abstract |
マウス造血幹細胞において、幹細胞特異的に発現している受容体型チロシンキナーゼTie2とそのリガンドであるAngiopoietin1は、造血幹細胞の静止期維持に重要な役割を果たしていることから、本研究では、ヒト臍帯血造血幹細胞におけるTie2/Angiopoietin1の制御機構を明らかにしようと以下の解析を行った。 1)ヒト臍帯中の分化抗原陰性Tie2陽性(Lin-Tie2+)細胞の性状解析 ヒト臍帯血中のLin-Tie2+細胞をDNA染色色素であるHoechst33342により染色し、Hoechst弱陽性のSide Population (SP)と呼ばれる細胞集団の割合を検討し、Lin-Tie2+細胞に静止状態にあるSP陽性の造血幹細胞が非常に多く含まれることを確認した。 2)ヒト造血幹細胞におけるTie2/Angiopoietin1の作用の解明 ヒト臍帯血中のLin-Tie2+細胞をcell sorterを用いて単離し、BSA、SCF、TPOを加えた無血清培地で培養し、培養液中に可溶性Angiopoitin1 VariantであるCOMP-Ang1を加えることによる、分画に含まれる幹細胞の未分化性の維持および自己複製能に対するTie2/angiopoietin1の作用を、細胞表面抗原の発現、コロニー形成能にて評価し、Tie2/Angiopoietin1がヒト造血幹細胞の未分化性維持に効果的に作用する可能性を見出した。今後放射線照射した免疫不全マウスへの移植による造血再構築能について検討する。
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