2006 Fiscal Year Annual Research Report
新開発の走化性測定装置を用いた好中球・好酸球の遊走制御分子の探索と新薬開発
Project/Area Number |
17790670
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 明 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任助手) (80372431)
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Keywords | 細胞走化性 / アレルギー / 炎症 / 新薬開発 / ケモカイン / ケモカイン受容体 / 好中球・好酸球 / タクシスキャン法 |
Research Abstract |
1.平成18年度は平成17年度に引き続き、好中球の走化性制御を目的としてCXCR1,CXCR2の細胞内C末端領域に結合する分子のスクリーングの為にイーストTwoハイブリッドの系の確立を試みた。しかしながらPCRで増幅したDNAをベクターに挿入するところでライゲーションされないという問題が生じた。このためイーストTwoハイブリッド系を確立する事ができなかった。原因を調べるため試行錯誤したが、解決できず、CXCR1,CXCR2の系は一時保留とした。別のアプローチによる系の確立が急務である。 2.次に好酸球の走化性を制御すること目的として、Eotaxinに対するケモカイン受容体CCR3における細胞内C末端領域配列に関してデータベースを用いて検索し、プライマーを設定してcDNAから細胞内C末端領域配列をPCRで増幅し、得られたC末端領域配列をイーストTwoハイブリットの系に組み込んだ。今後、イーストTwoハイブリッド法にてスクリーニングを行う予定である。 3.細胞遊走実験において従来法であるボイデン法と新しい走化性測定装置タクシスキャン(KKチャンバー)を比較した。事前の予想通りボイデン法では、細胞株を用いても実験日/実験者間でデータにバラツキがあり定量性はあるものの安定した値が得られ難かった。タクシスキャン法では遊走細胞株の速さや方向性を定量することができ安定した値が得られた。末梢血由来の好中球や好酸球では速さと方向性に個人差がみられ、また遊走を刺激するリガンドによっても有意な差がみられた。このことは、in vitroで薬物の効果を判定する際は勿論、in vivoで評価する際にも参考になると考えられた。
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