2005 Fiscal Year Annual Research Report
関節炎モデルにおける血管新生の機序とエンドスタチンの関節炎抑制効果の検討
Project/Area Number |
17790678
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 健 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20398796)
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Keywords | 関節炎 / 血管新生 / 血管内皮前駆細胞 / 骨髄 / VEGF / SDF-1 / MMP-9 / sKitL |
Research Abstract |
関節リウマチの関節炎の発症および維持には,関節滑膜を増生させるための新生血管が必須である.血管新生のメカニズムとして従来の既存血管内皮細胞の再形成のほかに血管内皮前駆細胞からの発生が関与することが明らかになった.血管内皮前駆細胞の動員にはVEGFやSDF-1などの刺激が必要である.これらの刺激により,骨髄中MMP-9およびsKitLなどの発現が増加し、骨髄中から末梢血中へ血管内皮前駆細胞が動員されると報告されている.したがって,関節炎における血管新生においても,骨髄中のVEGF,SDF-1,MMP-9,sKitLなどの因子が関与しているかどうか検討した.具体的には,コラーゲン誘導性関節炎を誘導し,day7,14,21,28,35に後枝足関節の滑膜部と骨髄部に分けtotal RNAを抽出した.抽出したtotal RNAを用いて,血管新生関連因子をRT-PCR法で検討した. 関節滑膜と骨髄の両方においてSDF-1遺伝子の発現は,day7,14,21,28,35と経過するにつれて上昇する傾向にあった.関節滑膜におけるSDF-1遺伝子の発現ピークはday28で,day7と比較して約1.8倍であった.骨髄におけるSDF-1遺伝子の発現ピークはday35で,day7と比較して約2.7倍であった.興味深いことに関節炎の病巣の首座である滑膜より骨髄での上昇率の方が高かった.滑膜と骨髄ともにVEGFの遺伝子の発現は,関節炎発症前と比較して関節炎発症後の方がやや高い傾向があった.上昇率に関してもほぼ同様であった. MMP-9とsKitLの遺伝子の発現に関しては,今後行う予定である.また,関節滑膜部のtotal RNAの収量が予想していた量より少ないため,収量を上げる工夫が必要と思われた.
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