2005 Fiscal Year Annual Research Report
若年性骨髄単球性白血病におけるポリコーム遺伝子による癌抑制経路不活化機構の解析
Project/Area Number |
17790695
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中沢 洋三 信州大学, 医学部小児医学講座, 助手 (60397312)
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Keywords | 若年性骨髄単球性白血病 / ras / p15 / p16 / ARF / bmi-1 |
Research Abstract |
若年性骨髄単球性白血病(JMML)の発症には癌遺伝子rasの活性化が重要な役割を果たしていることが報告されている。一方、これまでにJMML発症における癌抑制経路の不活化機構についてはほとんど明らかにされていない。そこで、ヒトの主要な癌抑制経路であるRB経路とp53経路を制御している癌抑制遺伝子p15、p16、ARFについての検討を計画した。 まず、癌抑制遺伝子p15のエピジェネテイックコードによる遺伝子発現の制御機構について検討した。正常対照の骨髄CD34陽性細胞をGM-CSFとstem cell factorで刺激することにより産生されたDay7の骨髄系細胞では、40%-70%の頻度で全例にp15遺伝子のメチル化がみられたが、JMML患者の骨髄CD34陽性細胞から産生されたDay7細胞では、6例中全例でほぼすべてのp15遺伝子のCpG部位が非メチル化状態を示した。さらに、p15 mRNAの発現をreal-time PCR法を用いて検討したところ、JMML患者において有意に高いp15 mRNAの発現が認められた。これらのことから、JMMLにおけるエピジェネテイックコードによる遺伝子発現の制御異常が示唆された。 平成18年度は、癌抑制遺伝子p16およびARFの発現に関する検討をFISH法およびreal-time PCR法を用いて検討する予定である。さらに、癌遺伝子rasの活性化経路にかかわる遺伝子群や白血病幹細胞の複製に関与することが報告されているポリコーム遺伝子bmi-1についてもreal-time PCR法を用いて発現量を検討し、JMMLの白血化機構を明らかにしたい。
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