2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト造血幹細胞におけるポリコーム遺伝子群による制御機構
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17790706
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
梶梅 輝之 広島大学, 大学院医歯薬総合研究科, 助手 (40278924)
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Keywords | 造血幹細胞 / ポリコーム遺伝子群 / 自己複製 / 骨髄移植 |
Research Abstract |
本年度は造血幹細胞移植細胞とポリコーム遺伝子群との関連を検討する上での基礎データに用いるため、マウス骨髄細胞培養系モデルを用いて以下のとおりの研究を実施した。 (1)マウス骨髄細胞のポリコーム遺伝子群(特にBmi1とMel18)の核内蛋白をフローサイトメトリーで解析した。これまで我々の研究成果から、Bmi1とMel18は造血幹細胞では相反する働きがあるものと証明してきた。このため、各々の細胞はBmi1もしくはMel18のどちらかが優位で、両方を発現している細胞はないか少ないものと仮説を立てた。結果、予想通りBmi1をもつ骨髄細胞はMel18が少なく、Mel18をもつものはBmi1が少ないという結果を得ることができた。 (2)上記の現象がどのような意味をもつのか、各種ポリコーム遺伝子群のsiRNAを作用させ、in vitroでのコロニーアッセイを施行した。bmi1 siRNAは二次コロニー形成に抑制的で、mel-18 siRNAはその逆であることを確認した。さらなる機能解析のためin vivoでのマウス骨髄移植実験も準備中である。 (3)現在は上記の再現性を確認するとともに、そのメカニズム解析のため、下流の遺伝子発現をRT-PCRで解析中である。 このような結果を踏まえ最終年度となる来年度は、ヒト造血幹細胞においても同様の現象を確認し、当施設で造血幹細胞移植を施行された患児を対象とし、移植後造血回復とポリコーム遺伝子群の発現量をリアルタイムRT-PCRを用いて測定し、さらに検討を進めたい。
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