2005 Fiscal Year Annual Research Report
臍帯血中樹状細胞における網羅的遺伝子発現解析:成人末梢血樹状細胞との比較
Project/Area Number |
17790709
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 友紀 九州大学, 大学病院, 医員 (60398071)
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Keywords | 樹状細胞 / マイクロアレイ / 網羅的遺伝子発現解析 |
Research Abstract |
臍帯血由来樹状細胞(DC)、成人末梢血由来DCの検体採取とマイクロアレイによる遺伝子発現の比較を行った。実験の再現性と信頼性を高めるために、臍帯血由来DCは5人分を混合したものを3組作成し、成人末梢血由来DC7人分を混合したものと比較した。また、採取した細胞を成熟させ、成熟DCにおける遺伝子発現の比較も並行して行った。 1.DCの分離:臍帯血と健常成人末梢血より単核球を分離し、CD3、CD11b、CD16によるネガティブセレクションの後、CD4によるポジティブセレクションを施行することによりDCを分離した。Lineage抗体を用いて純度を測定した結果、臍帯血由来DC、成人末梢血由来DCともに約90%であり、両者に差はみられなかった。 2.DCの培養(成熟DCの作成):DCを成熟させるために10%FCS入りのRPMI培養液中に懸濁し、5×10^5細胞/mlの細胞濃度にて、GM-CSF(100ng/ml)、IL-3(10ng/ml)と懸濁し、24時間後にTNF-α(3ng/ml)を添加した。細胞形態、表面マーカーより成熟DCであることを確認することができた。 3.cDNAマイクロアレイ:未熟DCおよび成熟DCよりtotal RNAの抽出を行い、遺伝子増幅を施行。各々をCy-3またはCy-5で標識し、cDNAマイクロアレイチップ(Human Cytokine Chip、TaKaRa、550遺伝子)上でハイブリダイゼーションした。 4.データの解析はマイクロソフトExcelおよびマイクロアレイ解析ソフト[Gene spring ver.5.0]を用いて施行した。 (1)未熟DCの比較:末梢血DCに比して臍帯血DCにおいて約80遺伝子が有意に高い発現を示した。 (2)成熟DCの比較:臍帯血DCにおいて末梢血DCにおいて約50遺伝子が有意に高い発現を示した。
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