2006 Fiscal Year Annual Research Report
血清プロテオミクス解析によるGVHDの早期診断法の確立
Project/Area Number |
17790713
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
堀 司 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20398324)
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Keywords | GVHD / proteomics |
Research Abstract |
1.GVHDマウスモデルの作製と病態推移の把握 donorをC57BL/6、reciientをBALB/cとし8.5Gyの全身放射線照射後の骨髄細胞2x10^7個を輸注し、GVHDモデルとした。移植後day7、day14、day21、day28め症状と肝、消化管、皮膚の病理GVHD所見を呈した。 組織の変化を経時的に把握し、病理組織所見はスコア化した。症状、病理組織ともにday7以降GVHD所見を呈した。 2.モデルマスの血清プロテオミクス 移植前、day7、day14、day21、day28に血清採取し、前処理後にSELDI-TOF-MSにて網羅的解析を行った。これらの結果をクロスバリデーション法により検討したところ、GVHD群(da7、da14、day21、day28)とコントロール群(移植前)との分類に有用なpeakが得られた。このpeakはGVHDモテルでda7以降有意な上昇を認めており、病理組織スコアが最高値に達する以前から高いpeak intensituを呈していた。なお、GVHDを発症しないsyngeneicの移植においては有意な変化を認めなかった。また、免疫抑制剤による治療を行ったGVHDモデルにおいては、投与後に症状の軽減とともに意なeakの低下が認められた。以上よりこのpeakは早期診断、治療効果判定ともに利用できる可能性が示唆され、病態マーカーのcandidateとした。 3.candidateの同定 このcandidateをimmunochromatography、RP-HPLC、2D-PAGEを用いて分離精製し、LC-MS/MSによって同定した。 4.ヒトサンプルにおける検討 マウスモテルにおいて同定された病態マーカーのヒトにおける有用性を現在検討中であり、今後ヒトでの診断システムの確立を目指す。 本研究の成果は、特許出願を念頭におき準備を進めている。
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