2006 Fiscal Year Annual Research Report
移植骨髄由来心筋細胞は正常心筋細胞の機能を有するか?-イオンチャネルからの検討-
Project/Area Number |
17790729
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
浅井 牧子 日本医科大学, 医学部, 助手 (60386159)
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Keywords | 再生医療 / 心臓 / 心筋細胞 / 骨髄移植 / イオンチャネル |
Research Abstract |
平成17年度の結果を踏まえて,移植骨髄由来心筋細胞の発現率を上げることを目的とし,以下の実験を行った. 1.レシピエントマウスにG-CSFまたはSDF-1を投与する:ドナー由来移植骨髄細胞の発現を促す目的で,顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはストロマ細胞由来因子-1(SDF-1)を投与した. 2.ドナーの骨髄細胞をレシピエントマウスの心臓に直接注入:ネンブタール麻酔・気管内挿管下に開胸し,骨髄細胞を直接心筋内に注入した. 実験経過ならびに結果: G-CSFを投与した心筋梗塞モデルマウスの心臓から酵素処理により心筋細胞を分離してみたが,G-CSFを投与しなかったマウスと比較しても著しい移植骨髄細胞由来心筋細胞(GFPを有する緑色蛍光を示す細胞)の増加は見られなかった.SDF-1を投与したマウスでも同様であった.一方,骨髄細胞を直接心筋に注入も試みたが,これまでのところ,注入を受けたマウスのほとんどが死亡し,未だ満足のいく結果が得られていない. 来年度の実験予定: ドナー由来の心筋細胞が正常心機能を有するか否かを検討するのが本研究の目的であり,まず,安定的にドナー由来の心筋細胞を得ることが必須である.これまで,成獣マウスを用いて実験を行ってきたが,来年度は成獣に比較してより細胞の増殖機能があると考えられる未熟な心臓(新生仔)を用いて実験を行って,安定的に移植骨髄細胞由来心筋細胞を得た後,電気生理学的(パッチクランプ法)にその機能を評価したいと考えている.
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