2006 Fiscal Year Annual Research Report
チトクロームc酸化酵素欠損良性乳児型の分子病態解析
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17790738
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三牧 正和 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40392419)
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Keywords | チトクロームc酸化酵素欠損症 / 良性乳児型 / ミトコンドリアDNA / 転移RNA / アミノアシンル化 / ミトコンドリア病 |
Research Abstract |
臨床経過と筋病理所見より、チトクロームc酸化酵素欠損良性乳児型の6例を確定診断、6例全例のtRNA-Glu(グルタミン酸特異的転移RNA)領域の同一塩基(14674位)の点変異を見いだした。 tRNA-Gluはaminoacyl acceptor stemの末端にCCA配列が付加され、アミノアシル化転移酵素の働きでglutamateをチャージすることによりアミノアシル化が完成する。見出された変異はtRNA-Gluのaminoacyl acceptor stemの末端にあるため、アミノアシル化の異常を来している可能性があると考えたが、oxidation, deacylation and circulation assayを行い、患者由来tRNAのアミノアシル化の有無を確認したところ、異常は見いだされなかった。次にtRNAにチャージされているアミノ酸が正しくglutamateであるか確認する目的で、acid PAGEノーザンブロットで検討したところ異常は見いだされず、glutamateによる正常なアミノアシル化を受けていることが示唆された。 以上の結果から、DNA変異が実際にtRNAの配列異常をもたらしていることを確認する必要性があるため、平成18年度は患者細胞由来のtRNAをRNaseで部分消化し、DNA変異に相当するRNA変異があることを確認した。また、COX欠損良性乳児型の生検筋におけるtRNAの発現の確認したところ、患者生検筋においてはtRNA-Gluの量が明らかに低下していることが判明したため、量的問題が病態に重要な疫割を果たしていると考えている。
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