2005 Fiscal Year Annual Research Report
成長期毛包における免疫特殊環境と円形脱毛症の病態の解明
Project/Area Number |
17790761
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 泰介 浜松医科大学, 医学部付属病院, 講師 (90293638)
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Keywords | hair follicle immune privilege / NKG2D / KIR / 円形脱毛症 |
Research Abstract |
成長期毛包は免疫的に寛容であることは以前より報告されているが、今回この毛包免疫へのNK細胞の関わりを研究した。成長期毛包はMHCクラスI発現が低下しているためNK細胞の攻撃を受けやすいが、実際には成長期毛包へのNK細胞の浸潤は認められない一方で、円形脱毛症病変部にはNK細胞の浸潤を認める。すなわち、成長期毛包は何らかの機序でNK細胞からの攻撃を免れ、それが破綻することによってNK細胞を含めた免疫細胞の浸潤がおき、脱毛症が発症することが想定される。我々の結果ではまず成長期毛包はMIF発現が亢進していた。MIFはNK細胞からの攻撃を抑制することが知られており、毛包がNK細胞からの免疫反応を回避することの一助になっていることが想定される。また成長期毛包ではMICAの発現は弱いが、円形脱毛症病変部での近位外毛根鞘、毛乳頭ではMICAが強く発現していた。NKG2Dを発現するNK細胞はMICAと結合してNK細胞が活性化することから円形脱毛症ではNKG2D陽性のNK細胞がMICAを発現した毛組織と反応することで毛組織にダメージを与えていることが想定された。さらに末梢血単核球のFACS解析ではNK細胞を活性化させるNK細胞受容体であるNKG2D、NKG2Cが正常比較群ではmean intensityが低く、円形脱毛症患者では有意に高値を示していた。一方、NK細胞活性を抑制するKIRは、正常比較群ではNK細胞上で有意に高く、円形脱毛症で低かった。以上をまとめると正常毛周期における成長期毛包ではMIFの発現とMICAの低発現によりNK細胞からの攻撃を回避し、末梢血ではNKG2DやNKG2Cの発現を低下させることでよりNKの活性を低下させていることが想定された。それらが破綻することで円形脱毛症ではNK細胞も毛包に浸潤し免疫的な寛容の破綻を来たし脱毛を引き起こすことが考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] A hot new twist to hair biology : involvement of vanilloid receptor-1 (VR1/TRPV 1) signaling in human hair growth control.2005
Author(s)
Bodo E, Biro T, Telek A, Czifra G, Griger Z, Toth BI, Mescalchin A, Ito T, Bettermann A, Kovacs L, Paus R.
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Journal Title
American Journal of Pathology 166(4)
Pages: 985-998