2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790772
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
徳丸 晶 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (50398046)
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Keywords | エンドセリン / 表皮角化細胞 / 細胞遊走 / EGF受容体 / Transactivation |
Research Abstract |
本研究の目的は、エンドセリン-1による表皮角化細胞遊走促進機構を明らかにすることである。 エンドセリン-1の表皮角化細胞に対する遊走促進効果の解析 Boyden Chamber法による解析ではヒト表皮角化細胞ではエンドセリン-1は濃度依存性に表皮角化細胞の遊走を促進させ、至適濃度10nMにおいて遊走が1.4倍まで増加した。 ヒト培養表皮角化細胞を用いたエンドセリン-1によるHB-EGFを介したEGF受容体transactivation機構の関与についての解析 エンドセリン-1のEGF受容体の活性化に及ぼす影響をWestern blot法により解析したところ、エンドセリン-1、10nM添加により時間依存性に5分後をピークとしてEGF受容体のリン酸化が認められた。このにエンドセリン-1より誘導されるEGF受容体のリン酸化はHB-EGF特異的なshedding阻害剤R8301(10μM)、遊離型HB-EGF阻害剤CRM197(1μg/ml)、EGF受容体中和抗体(10μg/ml)、EGF受容体キナーゼ阻害剤AG1478(30nM)添加により完全に抑制された。次にこれらの阻害剤のエンドセリン-1により誘導される角化細胞遊走に及ぼす影響についてBoyden Chamber法により解析したところ、いずれにおいてもほぼ完全に遊走が抑制された。これらの結果からエンドセリン-1によるヒト表皮角化細胞遊走機構にはHB-EGFを介したEGF受容体のtransactivation機構が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 本年度の研究成果を基に、次年度はEGF受容体のtransactivationに関わる、上流、あるいは下流の細胞内シグナル伝達経路について検討を加える。
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Research Products
(6 results)