2005 Fiscal Year Annual Research Report
ケラチノサイトの細胞間接着装置に局在するMAPKKKキナーゼの機能解析
Project/Area Number |
17790774
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
武居 公子 琉球大学, 大学院医学研究科, 助手 (90325861)
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Keywords | ケラチノサイト / Eカドヘリン / MAPKKKキナーゼ / Rap2 |
Research Abstract |
ケラチノサイトの創傷部位への遊走や、癌細胞(有棘細胞癌など)の転移には、隣り合った細胞との接着解除が必要である。ケラチノサイトの細胞間接着にはデスモソームとタイトジャンクション様構造だけでなくアドヘレンスジャンクション(AJ)様構造も関与する。ケラチノサイトのAJには接着分子E-カドヘリンが集積しており、その細胞外ドメイン同士の結合により接着が成立する。一方、私共は最近、ケラチノサイト培養株の細胞間接着部位にMAPKKKキナーゼの一つTNIKが局在することを見出した。私共は、TNIKが低分子量G蛋白質Rap2により活性化されて線維芽細胞のアクチン細胞骨格や基質細胞間接着を制御すること、ケラチノサイトではTNIKと同様にRap2も細胞間接着部位に局在することを見出し、これらの分子の機能解析を進めている。トランスフェクションによりTNIKのドミナントネガティブ変異体を発現させると、ケラチノサイトは偽足を伸張した特異な形態変化を示して上皮様形態を失い、隣接する細胞間の接着が障害される。また、このような細胞を免疫染色するとE-カドヘリンやβ-カテニン、p120カテニンなどのAJ分子が消失している。発現誘導型レトロウイルスベクター系を用いて同変異体を発現させたところ、内在性TNIKと同様に細胞間接着部位に局在し、細胞間接着に異常が認められた。今後はTNIKやRap2をノックダウンするRNAiベクターを用いて、AJの形成・維持やアクチン細胞骨格との連結におけるTNIKの役割をさらに解析する予定である。
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