2005 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫と色素細胞母斑のweb上の自動識別システムの開発
Project/Area Number |
17790788
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
彌冨 仁 法政大学, 工学部, 助手 (10386336)
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Keywords | ダーモスコピー / 悪性黒色腫 / コンピュータ自動診断(CAD) / ニューラルネットワーク |
Research Abstract |
我々が開発を行っている、インターネット上の悪性黒色腫自動診断システムの実用化を目指し、判別アルゴリズムの強化、判定できる腫瘍の種類の拡大、ならびに日本人に特異的に現れる掌、足底部の悪性黒色腫識別アルゴリズムの開発、利便性の向上を行った。掌、足底部の悪性黒色腫は、日本人の悪性黒色腫患者のおよそ半数を占め、識別は極めて重要である。 これまでのこの分野の研究では判別数値の向上に重きが置かれ、主にイタリア、アメリカとの間で競争が行われてきた。しかしシステムの実用化には、未知のデータに対する安定したシステムの応答が求められる。そのため我々はより多くの症例データならびに、システムに登録された画像を用いて、これまで以上に頑健な識別器を作成し実装した。悪性黒色腫と同様の色特徴を有するReed母斑も考慮した結果を出力できるようになり、現在、一部の悪性黒色腫と同様の特徴を持ち、非常に数が多い青色母斑についての分離アルゴリズムをシステムに実装中である。 また、昨年度イタリアの研究チームから指摘されていた処理速度、セキュリティの問題についても、サーバの内部処理を大きく見直し、これまで最大20秒近くかかっていた診断時間をおよそ5秒程度へ短縮、また通信経路にSSLの導入により対応を行った。 本年度はこれらの成果に関連して、論文6件・国際会議発表3件が採択され、また口頭発表を5件行った。 一方、本システム実用化のための検証および、悪性黒色腫の実際の早期発見を目的として、皮膚科医がおらず日常的に紫外線の暴露量が多いと思われる東京都新島、式根島に5回にわたって皮膚科医と訪問し無料診断を実施した。 これまで島民およそ200名の同意のもとに、母斑の画像をダーモスコピーにて収集、解析を行い、診断結果を医師の判断の下全員に郵送した。一般人を対象としたシステムを構成する際の課題についても、この活動を通して得ることができた。
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Research Products
(7 results)