2006 Fiscal Year Annual Research Report
乳房外パジェット病における腫瘍の伸展および病勢・治療効果の早期把握に関する研究
Project/Area Number |
17790796
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
吉田 雄一 福岡大学, 医学部, 講師 (70335975)
|
Keywords | 癌 / 病理学 / 皮膚腫瘍 |
Research Abstract |
乳房外バジェット病において早期に再発・転移の可能性を把握し、予後を改善することを目的として研究を継続した。昨年度は病変部の免疫組織化学的検討を行ったが、今年度は乳房外バジェット病患者の血清を定期的に採取し、ELlSA法により血清中のCEAおよびRCAS1の測定を行った。今年度は以下の結果が得られた。 1)初回治療時に真皮内に腫瘍細胞の浸潤を認めたハイリスク群(stage II ; T3NOMO)で、後に所属リンパ節転移をきたした患者において、その経過中に血清CEAに先行してRCAS1の上昇がみられた。 2)さらにStage II(T3NOMO)の別の患者1名においても血清CEAに先行してRCAS1の上昇を認め、CTにて精査を行った結果、所属リンパ節転移が明らかとなった。 3)Stage Iの患者4名において注意深く経時的に血清CEAおよびRCAS1の測定を行ったが、両者とも有意な上昇はみられなかった。 以上の結果から、乳房外バジェット病(ハイリスク群)の病勢の把握に血清CEAと比較してRCAS1がより有用であることが示唆された。 来年度も引き続き、乳房外バジェット病患者の血清を定期的に採取し、血清中のCEAおよびRCAS1の測定を行うことにより再発・転移の早期発見が可能かどうかをさらに症例数を増やして検討を行う。また、進行期乳房外バジェット病患者において化学療法前後に同様の測定を行い、治療効果判定に有用であるかどうかを検討する予定である。
|