2007 Fiscal Year Annual Research Report
乳房外パジェット病における腫瘍の伸展および病勢・治療効果の早期把握に関する研究
Project/Area Number |
17790796
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
吉田 雄一 Tottori University, 医学部, 准教授 (70335975)
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Keywords | 癌 / 病理学 / 皮膚腫瘍 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
浸潤を伴う乳房外バジェット病(ハイリスク群)において早期に再発・転移の可能性を把握し、予後を改善することを目的として研究を行った。昨年度までに浸潤を伴わない場合(in situ)においては血清中のCEAの上昇やRCAS1の上昇は見られないが、浸潤を伴う場合にはCEAの上昇が見られなくともRCAS1の上昇が見られることがあり、その際にばリンパ節転移の可能性が高いことが分かった。つまりリンパ節転移をきたした乳房外バジェット病では、CEAに比較してRCAS1の方がより感度が高い場合があり(リンパ節転移の早期発見の可能性)、その結果の概要について本年度に英文の学術誌に公表した。 さらに本年度は昨年度に引き続いて、ハイリスク群患者の血清中RCAS1の測定を継続した。また転移をきたした患者において治療効果(化学療法・外科治療)の把握にRACS1が有用であるかどうかを検討した。 今年度、新たにstage3(所属リンパ節転移)、stage4(骨転移)の患者においてRCAS1の有用性を検討した。両者とも初診時から一貫してCEAの上昇はなかった。血清RCAS1の上昇が見られるかどうかを定期的に血清を採取し、測定を行った。しかしながら、RCAS1の上昇は見られなかった。また、所属リンパ節転移をきたした患者(CEA,RCAS1ともに上昇した患者)において、その治療効果の判定にRCAS1が有用であるかをCEAと比較した。その結果、術後や化学療法後にCEAと平行してRCAS1の一過性の低下が見られたが、大きな変動に乏しく、その有用性についてはさらなる検討が必要であると考えられた。 結論として、乳房外パジェット病におけるRCAS1の有用性については今後も症例を積み重ね、多数症例での解析が必要であると思われる。
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Research Products
(1 results)