2006 Fiscal Year Annual Research Report
マルチフラクタルによる脳MRI画像上の加齢性および病的白質変化の特徴抽出
Project/Area Number |
17790808
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高橋 哲也 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (00377459)
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Keywords | マルチフラクタル解析 / 脳白質 / 加齢 / 統合失調症 |
Research Abstract |
健常高齢者を対象に、深部白質のマルチフラクタル次元を計測じ、早期動脈硬化の指標と考えられている頚動脈中内膜肥厚度との関連性を比較検討した。結果、マルチフラクタル次元と頚動脈中内膜肥厚度と強い関連性が観察されたことから、健常高齢者白質のマルチフラクタル解析は、脳動脈硬化の早期指標となりうることを報告した。 統合失調症患者および健常者を対象に、脳白質におけるマルチフラクタル次元を算出し、臨床症状との関連性も含めて比較検討を行っている。前頭葉白質、前頭-頭頂葉白質、脳梁(膝部、膨大部)を関心領域として、それぞれの部位のマルチフラクタル次元を算出した。その結果、健常者では前頭-頭頂葉白質のマルチフラクタル次元において、いわゆる"left-sided asymmetry"を認める一方、統合失調症では健常者でみられた"left-sided asymmetry"が欠如していることを示唆する所見が得られた。また統合失調症患者では、前頭葉白質におけるマルチフラクタル次元の"left-sided asymmetry"の低さと脳梁のマルチフラクタル次元が精神症状と関連することが示唆された。本研究によって、統合失調症脳白質における病態の一部が明らかになったと考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Multifractal analysis of deep white matter microstructural changes on MR1 in relation to early-stage atherosclerosis.2006
Author(s)
Takahashi, T., Murata, T., Narita, K., Hamada, T., Kosaka, H., Omori, M., Takahashi, K., Kimura, H., Yoshida, H., Wada.Y.
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Journal Title
Neurolmage 32
Pages: 1158-1166