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2006 Fiscal Year Annual Research Report

動物モデルを用いたうつ病の病因と治療についての研究

Research Project

Project/Area Number 17790812
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

児玉 匡史  岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80379726)

Keywordsうつ病 / 電気けいれん / 神経新生 / 強制水泳
Research Abstract

うつ病の病因・治療にbrain-derived neurotrophic factor(BDNF)が関与していることが明らかとなってきている。本研究ではBDNF以降の細胞内情報伝達系のひとつであるmitogen-activated protein kinase(MAPK)系のうつ病への関与を検討した。最も有効なうつ病治療である電気けいれん療法の動物モデルを用いた。
まず、抗うつ効果との関連が示唆されている海馬歯状回での神経新生に対する電気けいれんとMAPK阻害の効果を調べた。単回の電気けいれんにより海馬歯状回の新生細胞数は2倍に増加していたが、U0126の前投与により、その増加は有意に抑制された。また、U0126投与反対側の海馬歯状回においては抑制を認めなかった。続いて、神経細胞マーカーであるNeuNを用い、新生細胞の細胞分化に対する影響を検討した。電気けいれん、U0126による神経細胞分化の割合に変化はなく、新生細胞の多くは神経細胞に分化していた。
さらに、行動学的にMAPE系の関与を検討するため、強制水泳試験における電気けいれんとMAPK阻害の効果を検討した。電気けいれんにより強制水泳時の無動時間は、対照群と比較し短縮していた。U0126を両側海馬に前投与することにより、電気けいれんによる無動時間の短縮効果は対照群と同等まで抑制された。一方、自発運動量は電気けいれん群、U0126前処置群でも差はなかった。
これらの結果より、電気けいれんによる海馬歯状回の神経新生増加および行動学的な抗うつ効果が、MAPK系を介していることが明らかとなった。このことはヒトのうつ病にも鮎PK系が重要な役割を果たすことを予想させる。また、MAPK系を特異的に活性化する薬物は、新しい抗うつ薬となる可能性を持つと考えられる。

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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