2006 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症患者の反応競合下の前頭葉の活性に関する事象関連fMRIを用いた研究
Project/Area Number |
17790819
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
福田 麻由子 順天堂大学, 医学部, 助手 (00348989)
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Keywords | ニューロイメージング / functional MRI / 前部帯状回 / ワーキングメモリー / ブロックデザイン / event-relatedデザイン |
Research Abstract |
統合失調症患者群の反応競合下における前頭前野(prefrontal cortex: PFC)および前部帯状回(anterior cingulate cortex: ACC)の活性に注目し、反応競合性を高く設定したA-X CPT(continuous performance task)遂行中の事象関連fMRI(functional MRI)を記録し、CentralExecutive System機能の評価をした。 今年度は健常対照群(対照群)・統合失調症患者群(患者群)各務の症例数を増やし、fMRIを施行し、両群それぞれのグループアベレージおよび群間比較(t検定)を行った。ACCの活性は対照群より患者群の方が低く、左側でより差が大きかった。ACCは高度の判断を要する場合に活性化され、ワーキングメモリーシステムにおいての中枢実行系の機能を担うと考えられるが、統合失調症患者のワーキングメモリーシステムの障害は下位システムレベルではSlave SystemよりもCentral Executive Systemの機能の障害に起因するものと推測された。また、対照群は患者群に比較して前頭葉内側および右側下前頭回の有意な活性を認めた。PANSS(positive andnegative syndrome scale)など臨床症状評価尺度や罹病年数・服薬量との関連も検討しているが、現時点では有意な相関は認められない。 また、高次脳機能を検討するためにfMRIと脳波の同時計測を試み、BRAINAMP【○!R】seriesを用いての記録と、取得ソフトRecorder【○!R】および解析用プログラムAnalyzer【○!R】を用いての解析を行った。これに伴い、さらに撮像シークエンスと課題の確立も継続して行った。脳波データは事象関連電位およびLORETA(1ow resolution brain electromagnetic tomography)として処理した。
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