2005 Fiscal Year Annual Research Report
不安反応におけるCRFファミリーペプチド/受容体とニューロステロイドの役割の解明
Project/Area Number |
17790822
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
眞野 あすか 日本医科大学, 医学部, 助手 (50343588)
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Keywords | ストレス / 生理活性 / 不安調節 / ニューロステロイド / CRFファミリーペプチド |
Research Abstract |
本研究ではストレス反応機構において中心的な役割を担っているCRF(corticotropin-releasing factor)、Ucn(urocortin)1、Ucn 2、Ucn 3とその受容体であるCRF_1、_2受容体と、抗不安作用を持つallopregnanolloneとの相互作用について明らかにすることを目的としている。本年度はラットの吻側脳弓周囲野にてストレス下におけるUcn 3 mRNA発現量とUcn 3ニューロン数の変化について免疫組織化学的に検討した。さらに蛍光二重染色法により吻側脳弓周囲野では、Ucn 3ニューロンとNPYとの共存について検討し、また扁桃体内側核ではUcn 3とNPY及びCRFとの共存について解析した。 24時間及び48時間絶食により吻側脳弓周囲野におけるUcn 3mRNA発現量は有意に増加した。24時間及び48時間の絶水によるUcn 3 mRNA発現量の変化は認められなかった。Ucn 3ニューロン数は絶食、絶水により変化しなかった。以前の研究によりUcn 2ニューロン数は絶水や浸透圧刺激により増加し、絶食では変化が認められないことを明らかにしており、今回の結果と合わせて、CRF_2受容体の特異的なリガンドであるUcn 2とUcn 3がストレス下において異なる発現調節を受けている可能性が推測された。 吻側脳弓周囲野のUcn 3ニューロンに対して弓状核のNPYニューロンからの線維の投射は認められなかった。扁桃体内側核においてもUcn 3ニューロンとNPYニューロンとの共存や線維の投射はなく、少数のUcn 3ニューロンとCRFニューロンとの共存が認められた。扁桃体内側核においてCRFニューロンと共存が認められたことから、扁桃体内側核のUcn 3はCRFの発現調節や辺縁系のストレス応答に関与している可能性が考えられ、更なる検討が必要である。
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Research Products
(1 results)