2006 Fiscal Year Annual Research Report
不安反応におけるCRFファミリーペプチド/受容体とニューロステロイドの役割の解明
Project/Area Number |
17790822
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
眞野 あすか 日本医科大学, 医学部, 助手 (50343588)
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Keywords | ストレス / 不安調節 / ニューロステロイド / CRFファミリーペプチド |
Research Abstract |
本研究ではストレス反応機構において中心的な役割を担っているCRF(corticotropin-releasing factor)、Ucn(urocortin)1、Ucn2、Ucn3とその受容体であるCRF1型および2型受容体と、抗不安作用を持つallopregnanoloneとの相互作用について明らかにすることを目的としている。本年度はストレス負荷前にallopregnanoloneを投与し、ストレスによるFosの発現の変化に対するallopregnanoloneの作用の有無を検討した。 8週齢のWistar系雄ラットに1時間の拘束ストレスを与えた。ストレス負荷30分前にallopregnanolone(5mg/kg)またはallopregnanoloneの溶解剤である45%HBC(2-hydroxypropyl-β-cyclodextrin)を腹腔内投与した。45%HBCを投与した非ストレス群を対照群とした。ストレス終了から1時間後にペントバルビタール麻酔下、4%パラフォルムアルデヒドにて灌流固定し脳を取り出した。40μm毎の冠状断切片を作成しABC法にてFosの免疫染色を行い、Fos陽性細胞を視床下部室傍核および扁桃体中心核の全領域にて定量した。室傍核におけるFos陽性細胞数はストレス群において対照群と比較し有意に増加した。Allopregnanoloneを前投与したストレス群では、対照群と比較し有意な増加が認められず、ストレス群と比較し有意差は認められないもののFos発現は抑制される傾向を示した。扁桃体中心核におけるFos陽性細胞数はストレス群において対照群と比較し有意に増加した。Allopregnanoloneを前投与したストレス群では、対照群と同程度のFos発現量を示し、ストレス群と比較し有意にFos発現が抑制されていた。 ストレスによる室傍核、扁桃体中心核のFos発現がallopregnanoloneの前投与によって抑制されたことからallopregnanoloneはストレス応答を抑制する可能性が示された。今後ストレスによるCRFファミリーペプチドの発現調節に対するallopregnanoloneの作用について更なる検討が必要である。
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Research Products
(1 results)