2005 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠-覚醒調節機構におけるドーパミン神経系の役割を解明する
Project/Area Number |
17790825
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
吉田 祥 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40388260)
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Keywords | ドーパミン / 睡眠覚醒調節 / オレキシン / ヒスタミン / マイクロダイアリシス法 |
Research Abstract |
睡眠覚醒を調節する脳内機構は薬理学的、電気生理的、免疫組織学的手法やマイクロダイアリシス法などを用いて研究されてきた。その結果様々な神経伝達物質(モノアミン、アセチルコリンなど)の関与が解明された。また最近発見された神経伝達物質であるオレキシンは、過眠症のひとつであるナルコレプシーの病態生理に深く関与することがわかった。オレキシンはヒスタミンを中心とした様々な神経伝達物質の働きを調節することで、睡眠覚醒機構(特に覚醒)に重要な役割を果たす。ドーパミン神経伝達も基本的には覚醒調節に関与すると考えられてきたが、これまでの報告では必ずしも一貫性のある結果が得られていない。そこでドーパミンの睡眠覚醒機構における役割の詳細を解明するために、マイクロダイアリシス法によるドーパミン分泌と、睡眠ポリグラフを用いた睡眠記録との同時測定を行った。ドーパミン分泌はまず前頭葉皮質と線条体にて測定を行い、単位時間当たりの睡眠覚醒パラメータ(覚醒、徐波、REM睡眠)の変化とドーパミン濃度との相関を調べることとした。本年度はまず、各部位におけるドーパミン分泌の日内変動の有無を調べることを最初の目的とした。 実験は現在進行中であり検定を行う段階にはいたっていないが、前頭葉皮質においてドーパミン分泌は休息期(明期)に低く活動期(暗期)に高いという日内変動を示した。オレキシンも活動期に上昇するという日内変動を示すので、ヒスタミンだけではなくドーパミン神経系もオレキシンの実行系として重要な役割を果たすものと考えている。今後はさらに側座核周辺、外側視床下部、脳幹部などでもドーパミン分泌の測定を行っていく予定である。また、マイクロダイアリシス検体の測定間隔は現在20分としているが、それをさらに短くして、短い間隔で移行するラットの睡眠パラメータとドーパミン濃度変動との直接的な関連も検討したい。
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Research Products
(1 results)