2005 Fiscal Year Annual Research Report
仮想現実手法を応用した3次元ナビゲーション法の開発と機能形態温存手術への臨床応用
Project/Area Number |
17790844
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
金親 克彦 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (30375779)
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Keywords | 仮想現実手法 / 乳癌 / MRI画像 |
Research Abstract |
近年、MRI画像診断は高速・高空間分解能を持った撮像法の出現により、さらに進歩を遂げている。乳癌のMRI画像診断においても、この新たな撮像法を利用し、実際の手術体位下での高分解能撮像が試みられ、一定の成果を上げている。また、3次元画像を作成し、腫瘍の進展を立体的に評価する診断法も大きな注目を集めている。高精度画像の利点を最大限に生かすため、画像診断で得られた腫瘍の3次元位置情報を、正確に患者に投影するナビゲーション手法の確立が必要である。バーチャルリアリティー技術を用いることで、コンピュータ上の仮想3次元空間における位置情報は、立体実空間における位置情報に投影することが可能となった。本研究の目的は、このバーチャルリアリティー技術を医療分野へと応用することである。すなわち、乳癌温存手術範囲の術前決定に際し、MRI画像診断による詳細な3次元進展情報を、正確に患者へ投影できる医療3次元画像ナビゲーションシステムの開発と、臨床への応用を目的としている。本年度はまず、デバイス-ワークステーション統合システムの完成を目指した。これに必要なプログラム開発は、岡山大学環境数理学科で行った。内容として、当施設既存の医療用3次元ワークステーションにおいて、3次元位置情報フィードバックデバイスの使用を可能とするプログラム・エンジンの開発とした。さらに生体ファントムを用いてワークステーション上の仮想3次元空間と立体実空間との位置情報の較正(キャリブレーション)を行った。これはファントムのMRI撮像データに、上記のシステムを適応しナビゲーションを行った。次年度以降は、仮想空間-実空間の間の誤差を測定することで、上記システムの位置情報の正確性を評価しシステムのキャリブレーションを行う。さらに、次年度以降は実際に臨床的に役立つかを確認する予定である。
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