2006 Fiscal Year Annual Research Report
仮想現実手法を応用した3次元ナビゲーション法の開発と機能形態温存手術への臨床応用
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17790844
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
金親 克彦 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (30375779)
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Keywords | 乳癌 / MRI / 仮想現実法 / ナビゲーション手術 |
Research Abstract |
MRI画像診断は高速・高空間分解能を持った撮像法が出現し、実際の手術体位下での高分解能撮像が試みられるようになってきた。また、3次元画像を作成し、腫瘍の進展を立体的に評価する診断法も行われてきている。本手技を乳房温存術に応用するためには、画像診断で得られた腫瘍の3次元位置情報を、正確に患者に投影するナビゲーション手法の確立が必要である。その解決法として、バーチャルリアリティー技術を用い、腫瘍の3次元位置情報を正確に患者に投影することが出来る。本研究の目的は以下のことである。すなわち、乳癌温存手術範囲の術前決定に際し、MRI画像による詳細な3次元進展情報を、正確に患者へ投影できる医療3次元画像ナビゲーションシステムの開発と、臨床的に応用することである。昨年度は手術体位下で、SENSE法を用いた撮像法により得られた腫瘍の位置情報を、医療用3次元ワークステーションを用いて、乳房皮膚に投射再現しマーキングをするシステムを構築した。本年度は実際に患者へ投影したMRI画像による3次元情報と、実際の手術結果との比較を行い、術前マーキングの整合性と手術範囲決定に際しての有用性を検討した。実際にはマンモトーム後に金属製のクリップを留置した非浸潤性乳管癌12症例について検討した。MRI画像によって得られた金属製クリップの位置と、実際に留置されているクリップの位置の誤差を測定し、術前マーキングの整合性を検討した。断端陽性率を検討することによって、手術範囲決定に際しての有用性を検討した。この結果、術前マーキングと実際のクリップとの誤差は4.5±2.6mmで優れた整合性が得られた。また断端陽性は認められず、手術範囲決定に際して有用であると考えられた。今後は術前化学療法により腫瘍が消失し、切除範囲の把握が困難な症例等に対する乳房温存手術への有用性について検討する予定である。
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