2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790852
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
村岡 紀昭 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (70397248)
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Keywords | 肝移植 / 肝容積増加率 / 予後 / 肝生検 / 二核化 |
Research Abstract |
前回行った肝移植後16例の検討で、7日目の肝容積増加率は生存群:2.22±0.41で、死亡群:1.785±0.2919(Pvalue=0.025)と比べ有意に高かった。しかしオーバーラップが見られた。実際、生存症例で増加率が低い症例は移植された肝の容積が比較的大きい傾向がみられた。そこで、このオーバーラップの原因は移植肝の容積とレシピエントの標準肝容積との間の比を各症例で算出し比較すれば明らかになるのではないかと仮定し、検討を進めた。 実際、肝容積増加率が2.1を下回る4例では、グラフト容積/標準肝容積は平均51.2%で、2.1を上回る6例の平均38.1%と比較して有意(P<0.05)に大きかった。 したがって大きなグラフトを移植された場合には容積増加率は低くなるものと考えられた さらに移植後1週間以内に肝生検が行われた10症例に関して病理学的考察を行った。文献的に肝が再生する過程で、二核化の肝細胞が増加するという報告が確認できたため、生存群と死亡群とで二核化の細胞の数をX100倍の視野で測定し、比較した。生存群では2.22±0,41個で、死亡群(1,79±0.29個)と比較して有意にb(P=0.025<0.05)多かった。肝生検における2核化の肝細胞も予後決定因子の一つである可能性が示唆された。 これらの結果に関しては、現在論文執筆中であり、統計学的考察と英文校正後、来年度中には学術雑誌に発表の予定である。
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