2006 Fiscal Year Annual Research Report
TARD法によるCoherentSSFP初期アーティファクト軽減とその臨床応用化
Project/Area Number |
17790855
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浦山 慎一 京都大学, 医学研究科, 助手 (10270729)
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Keywords | MRI / Coherent SSFP法 / 初期アークティファクト / TARD法 / RFパルス位相増分角 / 3テスラMRI装置 |
Research Abstract |
Coherent SSFP法は、数ミリ秒間隔で照射されるRFパルスにより形成された定常状態下でデータ収集を行うことを特徴としているが、定常状態以前のデータを使用することにより、初期アーティファクトと呼ばれる偽像が生じるという問題点がある。本研究では、TARD法と呼ばれる簡便で効果的な手法を提案し、その臨床応用、評価を目的とする。特に今年度では、3テスラMRI装置における有用性の確認を主に試みた。 実験は、健常被験者を対象に、通常のシネMRI及び心筋MRタギング法にTARD法を組合せ、様々な撮像パラメタで撮像することにより行った。心筋MRタギング法においては、タギングパルスに起因する初期アーティファクトが、2,3回のダミーパルスによりよく抑制できることが示された。しかしながら、シネMRI及び心筋MRタギング法の双方で、スライス面内に流れ込んでくる心室、心房、大動脈内の血流に起因する初期アーティファクトが、抑制されずに観測される事が判明した。 3テスラMRI装置は、通常の1.5テスラ装置と比べて信号強度が倍高く、かつT1緩和時間が長くなるため、MRタギング法やインバージョンリカバリー法などで有利とされている。しかし、本研究により抑制されずに観察された流入血流による初期アーティファクトは、超高磁場によるT1緩和時間延長の影響が非常に大きいことを示唆しており、超高磁場でのCoherent SSFP法による心血管撮像の実用化のために、解決しなければならない重要な問題と考えられる。 次年度は、フィリップス社、ブルッカ社製の超高磁場MRI装置を用い、TARD法のより広範囲な有用性の検証を行う。
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