2006 Fiscal Year Annual Research Report
Line-Scan法を用いた脳幹部・脊髄のFiber Tracking
Project/Area Number |
17790861
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
和田 昭彦 島根大学, 医学部, 助手 (90379686)
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Keywords | 核磁気共鳴画像 / 脊椎 / 神経線維 / 拡散強調画像 |
Research Abstract |
我々は昨年度の研究結果(拡散テンソルMR画像およびFiber Tracking手法の脳幹・頸髄への適応と撮像条件の最適化)を、実際に臨床症例への適応開始を本年度の研究目標とした。当院整形外科の協力を得て、頚椎症性頚髄症の患者を対象に、治療効果の評価手段としての拡散テンソルMR画像の有用性を検討した。研究対象を外科的加療の適応と判断された変形性頚髄症患者として、外科的手術前および術後にラインスキャン法を用いた頸髄拡散テンソルMR画像を撮像し、通常のMRI画像、神経学的所見の術前・術後の変化と比較した。MR装置およびコイル撮像シーケンスは昨年同様に当院の1.5TMR装置(GE社製Signa Cvi)、Neurovascular Coil、ラインスキャン法を使用している。またテンソル解析には東京大学開発のフリーソフトであるVOLUMEONE Ver1.72およびdTVIISRを使用している。現在までの結果としては、ラインスキャン法を用いた拡散テンソル画像は、術前・術後ともに磁化率効果の影響が少なく、良好な神経線維追跡画像を提供することを確認しており、通常のMR画像で評価のしにくい脊髄実質内のT2高信号病変が術後に残存するような症例でも自覚症状、神経学的所見の改善がみられた症例ではFiber Tracking法が治療効果の判定に有用であることが確認できている。現在までの研究結果は、第36回日本神経放射線学会(2007年2月)で既報告であり、また2007年6月の第45回米国神経放射線学会でも展示発表として報告する予定となっている。ラインスキャン法を用いた頸髄拡散テンソル画像は頚髄症の治療効果の非侵襲的評価方法として有望である。今後更に症例を重ねることでその有用性を確立していく予定である。
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