2005 Fiscal Year Annual Research Report
単色X線を用いた腫瘍血管に対する経動脈的塞栓術に関する基礎的研究
Project/Area Number |
17790879
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
山下 武則 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30299200)
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Keywords | 放射光 / 単色X線 / 微小血管造影 / 血管塞栓物質 |
Research Abstract |
【目的】単色X線を用いた微小血管造影により、塞栓物質の塞栓効果を視覚的に評価する。 【方法】実験モデルは、日本白色家兎の耳介を用いた。微小血管造影システムは、X線源に33.3keVの単色X線を用い、検出器は撮像視野10 x 10mmのCCDカメラを用いた。造影剤は非イオン性ヨード造影剤(イオメロン400-)を用いた。塞栓物質はEmbosphere (trisacryl gelatin microsphere)とPVA (polyvinyl alcohol)を用いた。それぞれの塞栓物質は耳介動脈に用手的に直接注入した。塞栓前、塞栓中、塞栓後に微小血管造影を行い、それぞれの塞栓効果について視覚的に評価した。 【結果】塞栓前の微小血管造影で、約30μmの血管が描出された。塞栓中、塞栓後の微小血管造影では、Embosphereでは粒子同士の重合がなく、粒子径と同程度の径の動脈が塞栓され、塞栓部位よりも末梢側の血流が見られなかった。一方、PVAでは粒子同士が重合し、粒子径よりも大きい径の動脈が塞栓されていた。また、塞栓効果が不十分のためか、塞栓部位よりも末梢側の血流が認められた。 【結論】単色X線による微小血管造影は、従来は観察困難であった微小血管の観察を可能とした。また、塞栓物質の粒子径レベルでの塞栓効果の観察も可能とした。臨床的にはEmbosphereもPVAも塞栓物質として同じ目的として用いられてきたが、今回の検討で、塞栓効果の違いが明らかとなった。今回は正常血管を対象としたが、今後は腫瘍血管に対する塞栓効果を検討する予定である。
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