2005 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患の気道変化:マルチスライスCTを用いた新しい評価
Project/Area Number |
17790880
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
佐土原 順子 久留米大学, 医学部, 助手 (60279180)
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Keywords | 放射線 / マルチスライスCT / 慢性閉塞性肺疾患 / 喘息 / 気管支径 |
Research Abstract |
Multislice CT(使用機種:Light Speed Ultra, 16slice/16DAS type)を用い,COPD患者,喘息患者,健常者から得られたisotropic dataより,気管支を多方向,分岐次数毎に計測を行い、末梢気道病変の評価を行っている。評価方法はvirtual bronchoscopy fly through imageから任意の直交断面を自動的に得て、気道壁の外径、内径、壁の厚さ、内腔の面積、壁の面積を計測あるいは算出している。計測は2名、別々に行っている。 現在のところ、まだ、十分な症例数が集まっていないが、今までの検討で得られた知見を以下に示す。 1.計測について 自動経路検索で検索可能であったのは、亜区域枝程度であり、気管支が細くなるほど、誤差が大きくなった。Curved MPRでは、他の気管支との位置関係によっては、うまく描出できない場合や、壁が曖昧にしか、確認できない症例があった。 2.実際の計測、現在までの結果 1)読影2者間では、亜区域枝から中枢側では誤差が少なく、一致度が高い結果だが、亜区域枝以降では誤差が多く、測定二者間での不一致度が高いという結果となっている。 2)健常者に比べ、閉塞性肺疾患患者では、区域枝から亜区域枝の気道壁が肥厚し、内腔が狭い。 3.問題点 1)気道内粘液と気道壁肥厚を区別できない。 2)症例数が少ないことであり、より多くの症例で再検討する必要がある。 4.今後の展望 1)喘息患者では気道断面の可逆性変化を確認、測定する必要がる。 2)肺気腫では気腫の評価を加えるなど、気腫と気道の変化の両方から検討する必要がある。 3)気道の変化については、chronic bronchitisの有無によっても分ける必要があると思われる。 4)亜区域枝以降の気道の計測方法について、さらに検討が必要と思われる。
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