2005 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌に対する外部照射併用I-125永久挿入治療の外部照射治療計画の高精度化
Project/Area Number |
17790882
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
高橋 豊 (財)癌研究会, 癌研究所物理部, 研究員 (40353461)
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Keywords | I-125永久挿入治療 / シード / モンテカルロ法 / 高精度化 / 治療計画 |
Research Abstract |
I-125永久挿入治療(シード治療)は低リスク前立腺癌に対しては単独で行われるが、中リスク群前立腺癌に対しては外部照射が併用される。しかし、シード治療とのタイミングや照射法についてのコンセンサスはない。シード治療後に外部照射を行う場合、市販の治療計画装置では刺入後の高密度のシードによる線量分布の変化が反映されず、時に過大または過少線量につながりうる。これらを考慮した高精度線量計算法であるモンテカルロ法による線量分布計算を、CT画像を用いた人体モデルで行い、標的またはリスク臓器への寄与を明らかにし、最適照射法の物理的立案をすることを目的に研究を進めてきた。本年度はモンテカルロ計算を行うために必要な基本的なデータ作成を行った。 (1)CTデータの取得 CT値-電子密度ファントームを用い、空気から緻密骨までのCT値-電子密度テーブルを癌研有明病院のCTを用いて取得した。また、人体ファントームおよび患者CTを撮影し、市販治療計画装置に転送し、前立腺およびリスク臓器を放射線腫瘍医によりcontouringした後、DICOMファイルを出力し、人体モデルモンテカルロ計算エンジンへの読み込みに成功した。 (2)メタルアーチファクト軽減 多数のシードを含むCT画像は強いメタルアーチファクトを生じる。これはモンテカルロ計算に大きな誤差を生じさせることが知られている。そこで、CT画像のメタルアーチファクトの軽減を試みた。再構成画像を逆ラドン変換することによってサイノグラムを取得し、それを用いて補正する方法を採用した。この方法はモンテカルロ計算で使用する画像として有用であるだけでなく、I-125永久挿入治療の術後線量評価時の線源同定にも有用であることが判明した。これらの基礎研究の成果をもとに、2006年度で本研究課題の目的を達成できると考えられる。
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