2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790889
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高 叢笑 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (50379260)
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Keywords | ブタ内皮細胞 / 糖鎖構造解析 / NK細胞依存性細胞傷害 / α-Galエピトープ / NKレセプター |
Research Abstract |
<α-GalエピトープとNK細胞依存性細胞傷害との直接関連についての検討> 1.Human K562細胞を用いて、α-GalエピトープがK562細胞へのNK殺傷力に及ぼす影響を調べた。MHC class I分子をK562細胞へ導入し、NK細胞からの攻撃を遮断した上で、α1,3galactosyltransferase(α1,3GT)遺伝子を導入した。糖転移酵素の酵素反応、Flowcytometry法及びlectin blot法により導入した遺伝子の発現レベル及び細胞表面の糖鎖の発現レベルを確認した。NK依存性細胞傷害性をLDH releaseにより検定したところ、MHC class I分子の導入によって抑えられた細胞傷害性が細胞表面にα-Galエピトープの発現レベルが高くなるにつれ再び顕著に出て来た。その有意差も認められた。 2.次に、ブタ内皮細胞(SEC)に、α1,3GT遺伝子のsiRNA配列を導入し、その遺伝子のノックダウンを図った。これらの細胞をYT細胞と反応させ、NK依存性細胞傷害性の変化をLDH release assayによって検討した。細胞傷害性はα-Galエピトープの発現レベルの低下度に依存して抑えられた。有意差が認められた。 3.そのほか、α-Galエピトープ関連糖鎖プローブ,レクチン(GSIB4)及び抗体などを用いてブタ内皮細胞(SEC)表面の糖鎖をブロックし、NK依存性細胞傷害性の変化にα-Galエピトープが関与する事を証明した。 <NKレセプターの解析> 1.糖鎖プローブを作成した。α1,3GTの融合タンパク質を作成し、大量精製をした。次に酵素反応の基質となる二本鎖N-型糖鎖を分離、精製した。最後にα1,3GTの酵素反応を利用し、大量なα-Galエピトープ関連糖鎖プローブを生合成した。次年度にその正確な糖鎖構造情報をHPLCや質量分析などの方法で確認する予定である。 2.α-Galエピトープを認識するNKレセプターの同定。糖鎖アフィニティカラムを用いて、NK細胞の膜タンパク質画分からα-Galエピトープを認識できるタンパク質を検索し、候補となるものはいくつかが得られた。次年度にこれらのアミノ酸配列や糖鎖認識性、結合の特異性を解析する予定である。
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Research Products
(1 results)