2005 Fiscal Year Annual Research Report
外科侵襲時の臓器障害発生機構におけるsmall GTPase Rac2の役割
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17790891
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
岡野 圭一 香川大学, 医学部, 助手 (20314916)
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Keywords | Rac2 / 敗血症 / LPS / マウス / 好中球 |
Research Abstract |
敗血症時の肝障害におけるRac2の役割を解明するために、LPSを2期的に腹腔内投与し敗血症モデルを作成した。 また、致死量放射線照射による胎児肝幹細胞移植によるchimeric museを作成し、LPS2期的投与による,好中球数、肺、肝、腎組織の血管透過性、肝逸脱酵素、肝組織、腹腔への好中球遊走、浸潤、Rac2 mRNAの発現をRT-PCRで検討した。 その結果、LPS投与による肝障害は好中球Rac2^<-/->において有意に抑制されていた。また、好中球野生型(WT)で認められたLPS投与後の肝類洞内への遊走および肝実質への浸潤の有意な増加は好中球Rac2^<-/->では認められなかった。LPS投与後、肝Rac2 mRNAの発現増強は好中球Rac2^<-/->、血管内皮Rac2^<-/->ともに認めたが、WT/WTの増強より有意に低値であった。これらのことから、LPSによる肝障害の発症機序において、好中球Rac2は好中球遊走、浸潤、組織障害の過程に関与していることが示唆された。 外科侵襲後の敗血症に対するRho-kinase阻害剤の治療効果を検討するため、LPS2期投与における致死モデルを作成している。LPS011:B4投与0.5mg/kg投与で致死率0%、5mg/kg投与で致死率50%、50mg/kg投与で致死率100%であった。このモデルを用いてRho-kinase阻害剤のprimingあるいはsecond challengeに対する効果を検討している。同時に好中球エラスターゼ阻害薬との併用効果を検討している。
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