2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロカプセル化法導入によるヒト肝細胞バンキングシステムの構築とその応用
Project/Area Number |
17790899
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
青木 武士 昭和大学, 医学部, 助手 (30317515)
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Keywords | 肝細胞 / ヒト肝細胞 / 肝細胞バンキング / 肝細胞凍結保存 / マイクロカプセル / 肝細胞移植 |
Research Abstract |
目的 本研究の目的は、肝細胞の高次機能を失うことなく常時大量の肝細胞供給が可能なヒト肝細胞凍結保存方法の高度技術開発を最重要課題とし、簡潔かつ低コストで実現可能な大量ヒト肝細胞バンキングシステムの構築とその臨床応用への可能性を検討する。本年度はマイクロカプセル化法導入によりヒト肝細胞を長期凍結保存し、Viability,肝特異的機能により詳細に検討した。 方法 承諾の得られた肝切除後肝組織を一部獲得し、2 step collagenase digestion法にて分離。alginate/poly-L-lisine法にてair jet systemでヒト肝細胞をマイクロカプセル化した後、10% FBS,10% DMSOを含むDMEM中に混和し、直ちに液体窒素内にて凍結保存する。end of studyを一年に設定。凍結前および12Mまでの各タイムポイントで凍結保存したヒト肝細胞を37℃のwarm water bathにて急速解凍した後、Viability,Morphology(H-E,albumin,PAS)を検討。また一ヶ月凍結保存後のマイクロカプセル化ヒト肝細胞を2週間培養。肝細胞機能をアルブミン産生能、アンモニア代謝能、薬物代謝能より検討した。 結果 ヒト肝細胞をマイクロカプセル化することにより、12ヶ月もの長期間にわたってヒト肝細胞は80%以上のviabilityを維持しながら、肝細胞特異的機能であるアルブミン発現などを維持していた。さらに一ヶ月凍結保存・解凍後のヒト肝細胞培養実験においても、培養液中のアルブミン産生能、アンモニア代謝能を少なくとも一週間維持していた。 考察 ヒト肝細胞を長期間にわたり(一年)その機能を損なわずに凍結保存可能であった。本手法による肝細胞凍結保存方法は簡便かつ低コストで施行可能であり、大量肝細胞バンキングシステムの構築に向けて大きく貢献できる画期的な方法と考えられた。
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